意見をもつ練習

いつかdamnatio memoriae

閉塞感 無気力 劣等感

何をしても無駄な気がする。


本を読んでも、漫画を読んでも、勉強をしても、何を始めても、積み重ねてきた人には敵わない。
思い返せば、何をしても上手くいかない人生だった。そういった要領の悪さに、生来の怠惰な性向が相まり、無気力を極めてしまった。
中途半端に学校の勉強だけは出来たので、危機感も湧かなかったのだろうか。

今からでも何か始めろ、と他人は言うだろうし、何か始めなければならないとも思う。

しかし、今から始めても、誰の何にも及ばないことを思うと、何もする気が起きない。



大切なものが出来た。


でもそれは、誰かにとって適当に利用して捨てるだけのものだったらしい。

何だったんだろう、私の人生。まあ今まで努力してこなかったんだから、当然の末路かもしれない。

五月に読んだ小説(今更)

下書きしていたものを投稿。もうすぐ七月だけど...
ちなみに六月は全然読んでない。

タイタンの妖女

SFの古典的名作らしい。僕にはその良さがさっぱりわからなかった。
戦争描写にも心は躍らないし、地球外での出来事も新鮮味がなく、特にタイタンでの描写はSFというより童話のようだ。
ところどころに散りばめられた寓話を楽しむ作品なのかもしれないが...

これはそもそもSFなのか?

役者あとがきを読んだら「滑稽物語」とあって、なるほど、僕がSFに求めているものとは違うわけだ。まあ「求める」というほどSF小説読んでないけど。


鋼鉄都市

鋼鉄都市 (ハヤカワ文庫 SF 336)

鋼鉄都市 (ハヤカワ文庫 SF 336)

wikipediaに「ロボット三原則の盲点をついた作品」とあったのでトリックに期待して読んだが、事件の真相は少し拍子抜け。
鋼鉄都市」はただの舞台で、コンビが主役の刑事モノと考えると楽しめる。人類が過去に宇宙に植民しておいて、現在は鋼鉄都市に引きこもっているという設定は面白そうなので、もうちょっと掘り下げて欲しかったな。人類が鋼鉄都市に篭った歴史的経緯の理屈がよく理解できなかったが、地球人類が再び宇宙へ出ていき、ロボットとも共存していくことを示唆した結末は好き。

この二人が銀河帝国創るってマジ?「ファウンデーション」シリーズもそのうち読みたい。


星を継ぐもの

星を継ぐもの (創元SF文庫)

星を継ぐもの (創元SF文庫)

鋼鉄都市」とは逆に、ドラマが舞台のためにあるような作品。世界の謎が段々と解き明かされていくカタルシスよ。科学的考察を踏まえた描写が成されているんだろうが、理系科目に疎い僕には理解できない所多分であった。でも、意味は分からなくてもそれっぽい用語を並べられると説得力が増すよね。
伏線を回収し終わってないと思うんだが、これは続編で書かれてるのか?


1984

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

全体主義風刺。メインテーマもさることながら、「二重思考」「ニュースピーク」といったネタも非常に興味深い。「憎悪期間」のシリアスかつ滑稽な描写がたまらない。風刺ってこういうものでは?タイタンの妖女おちゃらけ過ぎだよ。


夏への扉

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)

超偶然タイムマシンを発見して過去に戻れたり、ロリ娘がわざわざコールドスリープしてくれる程主人公のことを二十歳になるまで好きなままだったり、冷静になってみれば、ご都合主義感は確かにある。しかし読んでいる時はそれを感じず、綺麗な物語として読むことが出来たのは...なぜだろう。作者の力量なのか、僕が鈍感なだけなのか。


アルジャーノンに花束を

クッソ綺麗なお話。知的障害のある主人公チャーリーの稚拙な文章が、頭が良くなるにつれ段々と改善され、そして最後は…という演出が素晴らしい。
思考の枠組みは狭い方が幸せなこともある…「1984」の「ニュースピーク」とは真逆。